特許と比較した意匠登録の特徴
特許は、新規な技術的アイディアについて与えられる無体財産権です。これに対し、意匠権は、物品の新規なデザインについて与えられる無体財産権です。
実体審査
特許の場合、出願審査請求をしなければ実体審査は開始されず、査定までに約3年の期間を要します。これに対し、意匠の場合、約6ケ月で査定がされます。
特許の場合、特許査定率は約5割です。これに対し、意匠の場合、登録査定率は約8割です。
権利の存続期間
特許権の存続期間は、出願日から20年です。これに対し、意匠権の存続期間は、意匠権の設定登録日から20年です。
保護対象
特許権の保護対象は技術的なアイディアです。これに対し、意匠権の保護対象は物品の外観のデザインです。したがって、タイヤの溝の発明のように、技術的なアイディアであり、かつ、物品の外観のデザインである場合には、特許権と意匠権の両方を取得することによって相乗効果で保護することができます。
権利行使
権利行使をする場合、まず、相手方が実施していることを権利者が証明しなければなりませんが、特許の場合、保護対象となる技術が実施されていることを証明することが困難な場合があります。これに対し、意匠の場合、保護対象が外観的なデザインなので、実施されていることを証明することが容易です。
特許権の権利範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて定められるのに対し、意匠権の権利範囲は、図面に基づいて定められるので、意匠権の権利範囲は、特許に比較して狭く解釈されます。